夏休み明けから全体的に社会は再開復活モード。
ネットフリックスドラマもしばし遠ざかってましたが、久々に見てみたら面白かったのが『スウィートトゥース』、そしてamazonプライムではすごくよかったのが『タクシー運転手 約束は海を越えて』!
スウィートトゥース(Sweet Tooth)
コミックス原作のようですが、コロナの今を重ねあわせてしまう設定。
謎の疫病が蔓延し、死者続出、町は荒廃、生活は一変。わずかに生き残った人たちが、互いに感染者がいないか疑心暗鬼のなか暮らすことに。
そして、この疫病の発生とともに、産院では異変が! 生まれてくる赤ちゃんが、人間と動物の特徴をもつ「ハイブリッド」となるケースが続出します(それぞれの個体によって違う種類とのハイブリッド)。
主人公のガスも鹿とのハイブリッド。父がわりのパボは、とっさに町を出て、テレビなど情報もシャットアウトし、ガスと山の中で自給自足の暮らしをはじめます。
しかしパボも死に、ガスは写真を手掛かりに、コロラドにいるらしい母を求めて三千里。。。の旅へ!
この時代、人の世界も分断されていきます。
ハイブリッドを疫病をもたらした原因と考えるフェイクニュースにのった、「ラストマン」と呼ばれるハイブリッド狩りをする武器所有の軍隊めいたチーム、そこからハイブリッドたちを守ろうとする少数派、そして、自身の生存のみを考え、たとえ隣人であろうと、感染者をみつけたらサランラップでぐるぐる巻きにして、家ごと燃やしてしまう「普通のひと」。
疫病をモチーフに、人間の世界の寓意が展開されていきます。
元ラストマンだった屈強な「ビッグマン」とバディを組んだガスが、コロラド目指して旅を続けるなかで、仲間も増えていきます。
そして、知る事実!
第一話で登場した病院の医師、その妻も、のちに話に大きく絡んできて、さらに「ビッグマン」の関係者もあとで大きく絡んできて!
最初は、それほどのめりこみませんでしたが、話が進むにつれ、うまく最初に出てきた人物たちの物語が絡み合いだし、どんどん見進めてしまいました。
最後にあらかたの謎は解かれますが、どうみても、続きのある終わり方。
シーズン2の作成も決まったようです。
ファンタジーでありながら、人間の世界の愚かさ、恐ろしさも描いていて、でもエグい描写もなく、ハイブリッドの姿もかわいらしく。
良かったです。
ひとつ気になったのは、ビッグマンの元職業仲間(フットボールプレイヤー!)の運転士が、ラストマンからビッグマンとガスたちを逃すために、一人で多数に丸腰で向かったこと。。。ちょっとこの設定はひどい(彼も生かしてほしかった)。。。
イカゲーム(Squid Game)
イカゲームっていうタイトルはどうにかならなかったのか、という気がいまだにしますが。
韓国ドラマ。
ネットフリックスで9月に公開以降1位!!ということで、見始めたものの、あまりのえぐさと気味の悪さに、1話でギブアップ。。。。。。と思いきや、2話、3話と見進めてしまいました。(今まだ3話ですのでネタバレありません。)
さっさと結末知りたい!という気持ちに突き動かされて見てしまう感じです。
ソウルに住むうだつのあがらぬ50代くらいの男性(名前覚えられず。。。)。借金で首が回らない、離婚して近所で離れて暮らす娘は成功している義父とともに来年アメリカに行ってしまう。主人公のことを実母は見捨てず、実母と狭いアパートで二人暮らし。それでも、主人公はお金があればギャンブル。猫になけなしのお金で買った魚を与えるくらい、いい人なんですが、ダメな感じ。お金がないから、ますます悪い方向へいって、抜け出せない。
というところに、謎の男が現れ、ゲームに誘われます。
睡眠薬で眠らされているうちに連れていかれた先には、非現実的なつるつるの無機質な大ホール。韓国各地から連れてこられた400人くらいの借金漬けの人々が、みな同じ緑色のジャージを姿で、名も失い、番号を名前代わりに、昔ながらのゲーム(だるまさんが転んだ、とか)に興じます。
しかし、ゲームとは名ばかり。失敗すると、即、射殺されます。
謎の運営者は、無数のカメラで彼らのゲームを見ています。ゲーム参加者の過去も借金の額もすべて運営者に把握されている模様。
さらに、赤い衣装の運営側スタッフ?も同じくらいの数、動員されています。
ぴかぴかと表面的には清潔ですが、現代の強制収容所めいた施設、新しいけれども、統一され個性を奪う緑色のジャージ(ゼッケンナンバー付き)、白いスニーカー。
失敗すると容赦なく言葉もなく射殺される様子、死体が焼却炉に入れられる様子など、現実の歴史にあったさまざまな大量虐殺を想像させます。
これが21世紀には架空のSFとして全世界で人気のシリーズのネタになるのかあ、、、と、ちょっと微妙な気持ちにもなりました。
子供に人気のようですが、ちゃんと歴史とかも勉強してるといいけど。。
借金を抱えた人々のバックストーリーとして、韓国の社会の底辺を描く点で確かにレビューでよくあるように映画『パラサイト』などにも近いです。
現在、3話。今後どうなっていくか。ちょっと先にネタバレなど読んでしまいましたが(笑)、イケメン刑事さんにしばらくは期待です。
映画『タクシー運転手』A Tax Driver
『パラサイト』と言えば、運転手役で大注目のソン・ガンホが主演した韓国映画『タクシー運転手―約束は海を越えて』(英語タイトルは A Taxi Driver)も見ました。
アメリカ版では結構長くamazonプライム対象です。
これが本当にすごかった! 胸がゆすぶられました。イチオシです。
現実にあった韓国の1980年の光州事件がテーマ。学校でこの事件のことは習ったけれど、やっぱり詳しい背景はわからず、この映画を見て衝撃を受けました。
お隣の韓国、1980年にはこういう状態だったんだ、ということ、軍が丸腰の民衆に理由もなく銃を向け、殺しながら、その情報がシャットアウトされ、軍の介入ではなく、民衆が暴動を起こした、と伝えられ、それを当事者以外の人々が信じてしまう政治体制、情報統制の恐ろしさ。
この状態を学生として体験し、民主化をなしとげた人たちが、いまだ現役の60代くらい?にいると考えると、国全体の経験値というか、政治に対する感覚が違うんだろうな、と思いました。
フランス革命を筆頭に、世界各国、庶民が革命を起こして平等や民主政治を手にしたのに対し、日本は上からの政治体制の変革しか経験していない、というのはよく聞きます。
この映画を見ると、確かにこういう経験・歴史のうえに立っていることが、政治意識や主権者意識とも関連しそうな気がしました。
抗議運動などに興味のないタクシー運転手が徐々に変化していく様子を見事に示すソン・ガンホの演技力、緊迫したなかで、大儀とかだいそれたことではなく、普通の人が、良心に従って命がけで行動する様子に、胸をつかれる思いでした。
長い映画ですが、一瞬も飽きません。歴史に興味がなくても、ほんとオススメです。
ネットフリックス三大韓国ドラマ!
韓国ドラマ、『イカゲーム』で一気に王座とった感じですが、やっぱり韓国ドラマ@ネットフリックスと言えば、私のスリートップは
『愛の不時着』
『ヴィンツェンツォ』VINCENCO
『新米士官クヘリョン』
です。
こちらに書いてました。